VoR & SoS 他アショーカ近況

 アショーカ版『マハーバーラタ』である Mba の執筆はあいかわらず順調の由。
このところ、アショーカは公式サイトとメーリング・リスト形式のフォーラムの両方に
精力的に書きこんでいて、
こちらが読むのが追いつかないくらいだが、
こういう時は本業のほうも順調なのがこれまでの例だ。
一時期、かれはネット上の活動をほとんどすべてシャットダウンしてしまったのだが、
どうやらこれは Mba の執筆で壁にぶちあたっていたせいであるらしい。


 とまれ、今年中には全9巻予定のうち第一巻を脱稿して、
出版社に渡す心づもりの由。
なお、こちらの1冊は『ラーマーヤナ』の倍の分量になる予定。


 一方で早くも Mba 映画化権獲得に向けての動きもあるようで、
すでに大手の製作者、ふたつは英国、一つはアメリカのメジャーから接触があったそうな。
むろんアショーカは少くとも第一巻が出るまでは、
映画化の話には一切応じない、と応えた。


 とはいえ、ということはいずれ出版の暁には
映画化権が売れるのは確実ということでもある。



 Mba は順調だが、
アショーカの新刊として出るのは、
ラーマーヤナ』の「続篇」になるようだ。

VENGEANCE OF RAVANA
SONS OF SITA

と題された2冊である。


 既刊はラーマたちのアヨーディヤー帰還で終わっていて、
ヴァールミーキ版の第七篇「ウッタラ・カーンダ」に相当する部分がない。
ここで描かれているシーターを追放するラーマの行為が
それまでのラーマの言動と矛盾するかどうかで
古来論争が絶えないところだ。


 『カンバ・ラーマーヤナ』ではこの部分がばっさり削られており、
アショーカもそれにならってこの語直しではこの部分は書かない
と宣言していた。


 それが一転して書くことにし、
それも1冊ではなく、2冊も書くことにした理由は
本番を読めばわかる、
というのが著者の態度だが、
ニュース・レターに掲載された冒頭部分を読むと
ぼんやりとだがわかる気もする。


 当然ながら、『ラーヴァナの逆襲』は単純な続篇ではない。
というよりも、
この2冊はむしろ、別のシリーズ、
いわば『後ラーマーヤナ』とでも呼ぶべき、
それ自体独立したものと見るほうが適当ではないか。


 ヴィシュヌの化身としてのラーマの物語である『ラーマーヤナ』と
その次の化身であるクリシュナの物語である『マハーバーラタ』を
つなぐ物語
という位置づけだ。


 だからこそ、Mba の前にこの2冊が出なければならないわけだ。



 出版物では来年初めに DC/Vertigo からカーリーをモチーフにした
オリジナルのグラフィック・ノヴェルが出る。



 アショーカの他の近況としてはまず
ラーマーヤナ』の朗読版がある。
著者自らの吹き込み。
かれは若い頃、舞台にも立ったことがあり、
その方面でも評価されていたというから、
楽しみではある。


 予告篇が YouTube で公開されたアニメ MAHAYODDHA RAMA は
今年のディワーリの休日に公開予定。
ヴァールミーキ版をアショーカが脚色したものだ。