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オマージュ
『樹海の妖魔(仮)』第2部「奪われた人びと」と、
巻末資料集のゲラが届く。
尻を叩かれている気分。
もちろんこのタイトルはル・グィンへのオマージュ。
ちなみにこの『樹海の妖魔(仮)』で
各部のタイトルに使われている作品4点のうち、
邦訳があるのはこれだけ。
他の三つは以下の通り。
序章の OF MEN AND MONSTERS は
ウィリアム・テンの1968年のおそらく唯一の長篇。
現在は NESFA Press の全集の2冊め、HERE COMES CIVILIZATION で読める。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1886778280/ashokbankerse-22/ref=nosim
Gollancz のペーパーバック版もあるが、
なぜか、値段が全集版とほとんど変わらない。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0575072342/ashokbankerse-22/ref=nosim
テンは短編が有名で、いくつか読んだはずだけど、
覚えているものは一つもないなあ。
第一部の PEACE はジーン・ウルフの1975年の長篇。
読んだはずなんだが、
どんな話だったか、きれいに忘れている。
妙なゴースト・ストーリーであることはかすかに記憶がある
(ウルフの作品に「妙」でないものはないが)。
『新しい太陽の書』のような大作よりも、
好きだった印象もある。
わけがわからないが、なぜか好きな点で、"Seven American Nights" と共通する。
Gollancz の Fantasy Masterworks シリーズで出ている。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0575073764/ashokbankerse-22/ref=nosim
Tor からもペーパーバックで再刊。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0312890338/ashokbankerse-22/ref=nosim
第三部 A PLAGUE OF DEMONS はキース・ローマーの1965年の長篇。
ネビュラ賞候補作。
Baen から A PLAGUE OF DEMONS & Other Stories として出ている。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0743499069/ashokbankerse-22/ref=nosim
ローマーは浅倉さんが「レティーフ」のシリーズを
一時、力を入れて紹介されていたと思うが、
あまり感心しなかった。
まだ若くてひねった皮肉の面白さがわからなかったのかもしれない。
それにしても、アショーカはいろいろと実によく読んでいる。