「引き」

 ようやく家の周りの樹々も本格的に紅葉してきた。


 つい先ほど、『樹海の妖魔』下巻の再校ゲラが着く。
上巻同様、編集・校正の赤が入っていない
通称白ゲラである。


 一緒に巻末「資料集」、
主要登場人物表、
前巻までのあらすじ、
奥付
等々のゲラも入っている。


 今回も上下巻に分かれるが、
切れるところが第二部「所有せざる人々」の途中だ。
分量的にもほぼ上下同じになるし、
上巻の終わりがサスペンスたっぷり。
どうしたって続けて読みたくなるところ。


 問題は巻末で、
この巻の最後は
究極の「引き」である。
『蒼の皇子』や『聖都決戦』のように
一応の区切りがついているものではない。


 印刷ミスか、
ちゃんと全部訳していないのではないかと
思う人も出てくると思われる。
この巻はこれで終わりです、原作どおりです
と何かの形でことわる必要があるだろう。