Mba 続報

 著者公式サイトの FAQ が改訂された。
Mba(『マハーバーラタ』) と『ラーマーヤナ』映画化について、
もう少しくわしい話が載っている。


 まずは Mba

数週間以内に完成原稿を出版社に渡しはじめ、
刊行は年内に始まるだろう。
その後はできるかぎり、
短い間隔で刊行を続けるよう努力する。

 正直、ほっとした。
必ず書き上がり、
刊行されると信じてはいたものの、
スケジュールが具体的に語られることに勝るものはない。


 アショーカは一度書きだせば速筆という。
毎回最も苦労するのは書出しで、
執筆が軌道に乗れば、
後は書く速度に加速度がつき、
最後の100ページほどは一気呵成だそうだ。
ラーマーヤナ』はそうして書かれた。


 Mba については、
ある程度までいった原稿を完全にボツにすることも
何度もあったらしい。
そうしてまた初めから書き直す。
書いたものをまた書き直す。
さらに改訂する。
できていたものを全部捨てさって、
初めから書く。


 あるいはそれは彫刻にも似ているかもしれない。
本来あるべき姿を彫りながら探ってゆくように、
本来の物語とその語り方を探ってゆく。
語り継がれてきた物語の本来の姿と
アショーカ版としての独自の物語の本来の姿が
まじわり、とけあい、新たな物語として
みずから語りだすところを求めて書き続ける。
書き続け、書き直しつづけることでしか、
そこをみつけることはできない。


 それを掴んだのが今年に入って1月18日の夜、
と著者はいう。
そのことに気がついたのはそれから1週間後。

 執筆は建築とは違う。執筆と改訂と繕いと研磨と編集と書き直しの間が、明確にわかれているわけではない。その晩、第1巻の草稿が、最終的な決定稿になりはじめていたと気がつくのに、1週間かかったのはそのためだ。

 かくて21世紀に生きる読者のための『マハーバーラタ』が
ついにその姿を現しはじめた。
その姿を見ることができるのは、
今はまだアショーカだけだ。
あと2、3ヶ月で、版元の編集者が見られるだろう。
さらに数カ月で、一般読者も見られるようになる。
少なくともその一部、
頭の先端が見えだす。